むかし家の前にあった巨大な紡績工場が取り壊され、数年間がれきのまま放置されていました。当時中学生だった僕は友達を誘って、中を探検したり、落ちている木の板で看板を作ったり、小屋を作るための空き缶を集めたりしました。周りを壁に囲まれ、外の世界から隔離されたそこは、素晴らしい遊び場でした。
その体験もあり、秘密基地は描きたくなるモチーフのひとつです。自分だけの、もしくは自分と何人かの親しい友達だけが知っている空間は、描いていてとてもワクワクすします。
最初に、頭の中のイメージを画面に起こしました。
普段はそのまま完成まで描きすすめるのですが、今回はうまくいかなかったので、一旦スケッチブックでアイデアを練り直しました。根っこの部分を省略し、「基地」の部分だけ見せることにします。
それをもとに大まかに色を決めます。1 照明、2 木の内面、3 木の外面に分けました。
塗り進めていくのですが、葉っぱのかたまりがなかなか納得のいく形にならず、苦戦します。うまくいきそうにないので、一旦この段階で線画を描くことにしました。
いい感じです。葉っぱの形が自然になり、立体感もでてきました。奥の葉っぱには大きく穴をあけ、背景の色が見えるようにしました。普段は描かない線画が、今回は非常に役立ちました。
線画をもとに着色します。配色も新たに考え直し、葉っぱは緑、光は暖かい黄色という素直な色を選びました。
細かい微調整をして完成です。
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